ポルトガルで開催されていたポスター展の紹介文を翻訳しました。
日本の伝統から革新へ 能面とガラスのポスター展
グラフィックデザイナー藤代範雄は、2000 年代、日本の伝統芸能である能楽で用いられる仮面「能面」をモチーフに、多くのポスター作品を制作しました。
平和や環境保護、世界遺産の保護をテーマとした作品は、数々の国際的な賞を受賞しています。
近年、藤代範雄は若き日に磨いたガラス工芸の技術を活かし、かねてより念願であったガラス制作に取り組んでいます。また、そのガラス作品をモチーフにデザインを起こし、シルクスクリーン作品の制作も行っています。
この秋ポルトガルで行う「藤代範雄作品展」では、代表作である能面モチーフのポスターおよび掛け軸はもちろん、これからの藤代を象徴するであろうガラスをモチーフとしたシルクスクリーン作品の展示を行う予定です。
異なる二種の作品を通じて、ポルトガルの皆様に、日本の美の可能性を感じていただけたらと思います。
ゲストアーティストについて
今回は言葉アーティストの星素子とデザイナー下島由美をゲストアーティストとして招きます。コピーライターとして長年活動してきた星素子は言葉を用いたアート活動を国内外で行っており、本展では漢字を用いたワークショップを行う予定です。
下島由美は藤代範雄の一番弟子として栃木県における地域活性化のためのアート・デザイン活動を行ってきました。
二人は藤代範雄が2013 年にベトナム・ホーチミン美術大学にて開催した「藤代範雄 JAPAN POSTER 展」にも展示およびゲストアーティストとして参加した実績があり、星は友好的なワークショップで参加者たちを楽しませました。
リスボンでの展覧会開催にあたり、地域および日本の魅力を世界へ伝えていくという共通の理念を持つアーティストとして、二人にゲスト参加を呼びかけました。
二人の参加により、アートを通じた国際的なコミュニケーションがよりいっそう豊かになることを願っています。